非上場企業の年収の調べ方口コミと転職エージェントで実態を確かめる

気になる会社はある。でも、年収を調べてもよく分からない。
上場企業なら平均年収の公開資料が見つかるのに、非上場企業は「入ってみないと分からない」。

しかも、面接で年収や賞与のことばかり聞くのは気が引ける。「お金のことしか考えていないと思われないかな」と、聞きたいことを飲み込んでしまう。とはいえ、生活に関わることを、入社してから知るのでは遅いですよね。

知りたいのは、一部の人のモデル年収ではなく、自分がその会社で働いたら、どんな暮らしになるのか。この記事では、気になる非上場企業の給与や賞与の実態を、面接でいきなり切り出さずに調べる方法を紹介します。

入社後のギャップ経験者の3割以上が「給与が想定より悪かった」

求人票では条件がよさそうだったのに、実際に働いてみると、賞与や昇給が思っていたほどではなかった。せっかく転職したのに、また次の会社を探すことになる。そんなズレは、入社後のギャップを調べたアンケートにも表れています。

エン・ジャパンが2025年1月に公表した調査では、入社後にギャップを感じた経験がある人から、次の回答が得られています。

同調査には、賞与が予想より少なかった、営業目標を上回る成果を出しても昇給につながらなかったという声もあります。求人票の「賞与あり」やモデル年収だけでは、実際の支給額や給与の上がり方までは見えません。

だからといって、面接で「ボーナスは本当に出ますか」「何年働けば、この年収になりますか」と細かく聞くのは勇気がいります。知ってから決めたいだけなのに、選考への影響まで気になってしまう。ここが、会社選びの厄介なところです。

まずは口コミサイトで、その会社の年収・給与を調べる

そこで、面接の前に、その会社で働く人・働いていた人の口コミを読んでみましょう。会社名で検索し、給与や賞与の支給状況、昇給の仕組みなど、求人票だけでは分からなかった話を探します。

口コミの数だけでなく、投稿ルールや審査の仕組みも見る

大事な転職の判断に使うなら、実体験に基づく情報を集めるルールや、投稿を確認する仕組みがあるサイトを選びたいところです。たとえば、次のような取り組みが公表されています。

  • ワンキャリア転職:本人の実体験に基づく投稿を原則とし、虚偽の投稿や第三者による評判操作を禁止しています。公式のクチコミガイドラインで確認できます。
  • OpenWork:投稿された口コミを全件、人の目で審査する運用を公式記事で説明しています。

サービスごとの掲載内容や閲覧条件は、転職口コミサイトの比較記事にまとめています。

会社全体の平均より、希望する職種の投稿を読む

同じ会社でも、営業と事務、一般社員と管理職では給与が違います。最初に表示された平均年収だけで判断せず、自分が応募したい職種・役職に近い投稿を探してください。同名の別会社やグループ会社を見ていないかも、会社概要で確かめます。

年収の数字と一緒に見るところ
見る項目知りたいこと
職種・役職・在籍年数希望する仕事に近い人の年収か。入社直後の人か、長く勤めて昇格した人か。
賞与・残業代・歩合給何を含む年収か。毎月の給与に比べて、変動する部分が大きくないか。
昇給・評価の口コミ入社後に給与がどう上がるのか。成果、資格、役職など、何が評価されるのか。
在籍時期・投稿時期今の給与制度に近い情報か。数年前の投稿だけになっていないか。

投稿が複数あれば、近い条件の人をいくつか読み比べます。一人だけの高い年収や古い投稿を、その会社全体の実態として受け取らないことが大切です。口コミの読み方を詳しく知りたい方は、企業口コミの信頼性を確かめる記事も参考にしてください。

ワンキャリア転職で、自分に近い人の転職先と年収を調べる

「自分と近い経験の人は、この会社にいくらで入ったんだろう」。そんな疑問を調べるときに参考になるのが、ワンキャリア転職の転職体験談です。

私が実際に見てよかったのは、前職でどんな仕事をして、年収はいくらだったのか。その後、どの会社のどんな仕事へ転職し、年収はいくらになったのかまで、一人の経歴としてつなげて見られるところです。

  • 気になる会社への入社例を調べる。自分と近い職種・経験・前職の年収の人が、その会社へいくらの年収で入社したのかを見比べられます。
  • 今の経験から、ほかにどんな転職先があるかを探す。近い経歴の人が、どんな会社・仕事に、どれくらいの年収で転職しているのかを参考にできます。

転職先を一社に絞る前でも、いろいろな人のケースを読むだけで、「今の自分に近い経験から、こんな仕事への転職もあるんだ」と気づくきっかけになります。気になる会社の年収を調べながら、ほかの選択肢も考えられるのが、体験談を読む面白さだと思います。

希望する会社・職種の体験談が見つからないこともあります。見つかった場合もその人の過去の実例なので、自分に適用される条件は求人票やエージェント経由で確かめます。

口コミで見つけた年収を、現在の求人票と照らし合わせる

口コミを読んだら、会社の採用ページや転職サイトで、希望職種の求人も見てみましょう。口コミは働いた人の経験、求人票は現在募集している仕事の条件です。両方を見ると、気になった数字が、今の募集にも当てはまりそうかを考えられます。

見るのは、同じ職種・勤務地・役職の求人か、基本給と手当の内訳、賞与や固定残業代の記載です。ハローワークも、求人の賃金欄は基本給・手当・固定残業代を分け、賞与などは実績を正確に示すよう案内しています。出典:ハローワークインターネットサービス

前提をそろえても金額が違う場合は、その違いをメモしておきましょう。次にエージェントへ相談するときの確認材料になります。モデル年収の前提が読み取れない場合は、モデル年収を読むときの確認点も参考にしてください。

面接で聞きにくい年収の話は、エージェントに確認してもらう

口コミと求人票を読んでも、「自分の経験だと、いくらで採用されそうか」は残ります。ここからは、その会社の求人を扱う転職エージェントの担当者に相談しましょう。応募前に給与帯を知りたいことや、企業へ確認してほしい点を伝えられます。

たとえば、応募を決める前なら次のように伝えられます。

担当者への相談文例

「この会社に興味がありますが、給与の実態が分からず、応募するか迷っています。私に近い経験で入社した方の年収帯や、賞与の支給実績について、分かる範囲で教えていただけますか。面接では直接聞きにくいので、必要な点は企業へ確認していただきたいです」

確認したいことを一度に全部並べる必要はありません。今いちばん気になる項目から相談すると、話を進めやすくなります。

  • 自分の経験で入社する場合の給与帯。求人の上限を目指せる条件と、自分に想定される役割を聞く。
  • 賞与や歩合給の扱い。求人の想定年収に何が含まれるのか、支給実績や決まり方を確認してもらう。
  • 口コミと求人票の金額が違う理由。職種・役職の違いなのか、給与制度が変わったのかを尋ねる。

担当者から回答をもらったら、「企業に確認した内容か」「過去の紹介実績か」「担当者の見立てか」も聞いておくと、どこまで参考にしてよいか分かります。

年収を自分で聞きにくい場合に、エージェント経由で確認する方法は、dodaの公式解説でも案内されています。内定が出た後も、不明な条件は担当者と一緒に確認できます。

口コミが見つからない非上場企業は、どう調べる?

まずは正式な会社名や旧社名でも検索し、希望職種の求人が出ていないか確認します。それでも年収情報が乏しければ、その企業を扱うエージェントに紹介実績や確認できる情報があるか相談しましょう。口コミがないことだけで、給与が低い会社だとは判断できません。

補足として、非上場でも有価証券報告書を提出している会社はあります。会社の公式サイトや金融庁のEDINETで会社名を検索し、資料があれば「平均年間給与」を探せます。金融庁の資料でも、有価証券報告書を提出する非上場企業に触れています。

ここに載る平均年間給与は、基本的に提出会社単体の数字です。親会社の平均を子会社の給与と読み替えないようにしてください。決算公告や売上だけから、社員の年収を割り出すこともできません。

エージェントを使わず直接応募している場合は、面接以外に採用窓口へメールで確認できるか、条件説明の機会があるかを相談する方法もあります。入社を決める前に、自分へ提示された条件を確認する機会を持ちましょう。

非上場企業の年収についてよくある疑問

非上場企業の年収は無料で調べられますか?
会社の採用ページや公開求人、EDINETの資料は無料で確認できます。口コミ・転職体験談は、会員登録や投稿など閲覧条件が設けられている場合があります。知りたい会社の情報があるかと、閲覧条件をそれぞれ確認してください。
口コミの平均年収を、自分の入社時の目安にしてもよいですか?
参考にはなりますが、職種・役職・在籍年数が異なる人を含む平均です。自分に近い投稿や転職体験談を優先し、入社時の給与帯はエージェントを通じて確認すると判断しやすくなります。
応募するか決める前に、エージェントへ年収を聞いてもよいですか?
応募を判断するために知りたい、と担当者へ相談できます。会社名と希望職種、自分の経験を伝え、その企業の求人を扱っているかを確かめましょう。担当者の持つ情報や企業との関係によって、分かる範囲は異なります。
口コミとエージェントの説明が違ったら、どちらを信じればよいですか?
まず職種・役職・時期・賞与などの前提が同じか確認します。気になる違いを担当者に伝え、企業に確認した情報か、過去の実績かを聞いてください。最後は、自分へ示された給与の条件と内訳を確かめます。

聞きにくいからこそ、先に読める情報を集めておく

まずは気になる会社を1社選び、希望する職種の給与・賞与の投稿を探してみてください。応募するか決める前でも、会社に連絡せずに始められます。

「自分と似た経験の人は、転職してどう変わったのか」が気になった方は、ワンキャリア転職で実際に見られた年収・職歴の画面をご覧ください。登録の流れも一緒に紹介しています。

この記事の確認方法と出典

内容・リンクの確認日:2026年10月6日。ワンキャリア転職の利用体験は、筆者の登録体験記事に掲載した内容に基づきます。エージェントへの相談文は本記事の文例です。

はっさく太郎

この記事を書いた人:はっさく太郎

「まいんでぃあ」企画・運営責任者。介護施設での店舗運営・営業、転職エージェント側の仕事を経て、現在は事業企画寄りの仕事に従事。求人の数字を、自分の暮らしと仕事に引き寄せて読むことを大切にしています。