「このまま今の会社にいていいのだろうか…」
そう悩んで転職サイトを眺めては、「でも、もし次の会社が今よりブラックだったら?」「自分には他社で通用するスキルなんてないかもしれないし…」と、得体の知れない不安に襲われてブラウザを閉じてしまう。
もしあなたがそうだとしても、決してあなたが「臆病」だからでも「行動力がない」からでもありません。
転職への不安は、性格だけでなく、貯蓄、家族状況、今の職場で受けた経験、求人情報の不足などが重なって生まれます。ビッグファイブは、その中にある「不確実さや変化へどう反応しやすいか」を整理する一つの見方です。
この記事では、なぜ動けないのかを性格と状況に分け、自分に合った小さな進め方を考えます。診断結果だけで転職の可否を決めるのではなく、判断材料を増やすために使ってください。
なお、不安の出発点が「そもそも今の仕事が向いてない気がする」という違和感なら、20代で「仕事向いてない」と感じたら|辞める前に知っておきたい5つのことも参考になります。20代でありがちな迷い方と、辞める前の整理ポイントに絞って解説しています。
異動したばかりで次の異動も頼みにくく、「このまま慣れるべきか、転職するべきか」で動けない場合は、異動先が合わない時の判断基準から読んでください。異動前後の比較を使うと、転職への不安と、今の配属先への違和感を分けて考えられます。
ただ、転職不安は「変化が怖い」だけで強くなるわけではありません。いまの職場で会社の価値観が合わないと感じていたり、役割そのものに仕事に興味がない状態だったり、我慢を続けすぎて自分を殺して働く感覚になっていたりすると、不安はさらに大きくなります。まずは何があなたを止めているのかを分けて考えましょう。
「変化」への反応に関わる2つの性格特性
ビッグファイブの中では、神経症的傾向と開放性が、不確実な変化をどう受け止めやすいかを考える手がかりになります。ただし、転職への不安は性格だけで決まるものではありません。
1. 神経症的傾向(不安・ストレスへの敏感さ)
これはいわゆる「心配性」の度合いです。
- 高い人:起こり得る問題へ注意が向きやすく、転職後の環境が分からない時に不安が強まりやすい傾向があります。
- 低い人:心配を引きずりにくい一方、確認すべき条件を軽く見積もることもあります。
2. 開放性(新しい経験への欲求)
こちらは「変化や未知のものに対する好奇心」の度合いです。
- 低い人:慣れた進め方を好みやすく、仕事内容や生活リズムが大きく変わる選択には慎重になりやすい傾向があります。
- 高い人:新しい選択肢へ関心を持ちやすい一方、新しさ以外の条件も分けて確認する必要があります。
神経症的傾向が高い人や曖昧さを避けたい人は、選択肢が見えない状態で不安が強まりやすい可能性があります。ただし、性格だけで転職不安を説明することはできません。大学生を対象にした研究でも、感情や曖昧さへの耐性など複数の要因がキャリアの迷いと関係していました。
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性格傾向を、転職前の確認方法へ変える
では、不安を感じやすい人は転職を諦めるべきなのでしょうか?
そうではありません。
大切なのは、不安を無理に消すことではなく、分からないことを一つずつ確認できる形へ変えることです。
不確実なことが多いと動きにくくなる場合
【避けたい進め方】
心身に差し迫った危険がないのに、不安を打ち消すためだけに情報が少ないまま退職を決めること。
【試しやすい進め方】
まず求人を見る、転職条件を3つ書く、信頼できる人に相談するなど、退職を決めずに情報を増やします。在職中に選択肢を比べられるなら、不確実さを一つずつ減らせます。親しい人だけで情報が広がらない時は、転職で「ほどよく遠い知人」が役立つ理由も参考になります。会社の歴史だけで安心を判断せず、役割、上司、評価基準、働き方を面談で確認しましょう。
新しい選択肢へ関心が向きやすい場合
【避けたい進め方】
新しさだけに惹かれ、仕事内容、評価基準、収入条件を確認せず決めること。
【試しやすい進め方】
裁量や変化がある仕事を候補にしつつ、入社後に任される範囲と支援体制を確認します。好奇心を活かしながらも、生活条件とリスクを別に点検してください。
「不安」は、確認すべき条件を見つける手がかりになる
「不安で動けない自分」を否定しないでください。
不安の中には、収入、仕事内容、職場環境、生活との両立など、まだ確認できていない条件が含まれています。性格傾向は、その条件へ気づく一つの手がかりとして使えます。
転職を考える時は、性格だけで結論を出さず、心身の状態、生活条件、仕事内容、評価や相談の仕組みを分けて確認することが大切です。
「とりあえずどこでもいいから受けてみる」といった行き当たりばったりな方法は避けましょう。
焦って動くのではなく、まずは今までの経験で続けたいことと、次の職場では変えたいことを分けるところから始めてください。
たとえば、いきなり理想の職種名に応募するのではなく、今の経験が活きる近い役割から入る方法もあります。新しい事業や企画に関心がある人は、未経験から新規事業開発に近づいた実体験を読んでおくと、怖さを減らしながら選択肢を広げやすくなります。
まいんでぃあの診断を通してご自身の特性や強みを再発見し、今悩んでいるあなたが新しい一歩を踏み出すための「きっかけ」になれば嬉しいです。
参照資料
- Xu et al. (2017), Career decision ambiguity tolerance and career indecision
- Udayar et al. (2018), Predicting career decision-making difficulties
- International Personality Item Pool(IPIP)
上記のキャリア意思決定研究には大学生を対象としたものが含まれます。社会人の転職判断へそのまま一般化せず、性格以外の生活条件や職場状況も合わせて検討してください。
よくある質問(FAQ)
今の会社にとどまるべきか、転職するべきか迷っています。
勢いで辞めたい衝動に駆られています。
大丈夫でしょうか?
なお、不安の正体が「転職することの怖さ」だけでなく、30歳前後になって今の仕事自体が急にしっくりこなくなった感覚なら、30歳になると今の仕事が急に嫌になるのはなぜ?甘えではない3つの理由も参考になります。
自分の「タイプ」を客観視しよう
診断だけで向いている仕事や転職の必要性を決めず、今すぐ動くか、まず条件を整理するかを考える材料として使ってください。