営業から企画職に転職するには?私の実体験と経験・求人の選び方

「営業から企画職に行きたい。でも、求人の『企画経験必須』を見ると、自分には無理な気がする」

営業成績や顧客対応なら話せる。でも、企画職として働いたことはない。何を実績として伝えればよいのか、どの求人なら自分の経験が届くのか。そこが分からないと、気になる求人を見つけても手が止まりますよね。

私も、最初から企画職だったわけではありません。介護施設で店舗運営と新規・既存の営業を経験し、転職エージェントとして企業と求職者を結ぶ仕事もしてきました。その後、現場の課題を施策に変える経験を重ね、事業企画寄りのキャリアへ移っています。

振り返ると、役に立ったのは「営業の中で何を改善したか」を言葉にすることと、その経験を活かせる仕事を探すことでした。この記事では、私の実体験をもとに、経験の作り方から求人・転職体験談の見方まで整理します。

まず、この順番で考える

  1. 目指す企画職を絞る何を企画する仕事なのかを見る
  2. 使える経験を見つける営業の中で考え、変えたことを整理する
  3. 求人と転職事例を比べる次に補う経験と、応募先を具体化する

営業から企画職に転職するには、まず「何を企画するか」を絞る

営業経験を活かして企画職を目指す道はあります。ただし、「企画職」という名前だけでは、必要な経験を判断できません。同じ企画でも、営業の進め方を改善する仕事と、事業全体の計画を立てる仕事では、任される範囲が違います。

企画職の仕事内容と、営業経験との接点の例
職種主に考えること振り返りたい営業経験
営業企画営業戦略、売上の分析、営業活動の仕組みや進め方失注理由の分析、営業資料の改善、チームで使える提案の型づくり
事業企画事業の目標・計画、課題の整理、関係部署と進める施策現場の課題を捉えた改善提案、複数部署との調整、施策の実行・振り返り
商品企画・マーケティング顧客や市場の理解、商品・サービスの企画、届け方顧客の要望を整理した提案、新しい顧客層への施策、販売後の反応をもとにした改善

表の右列は、求人の仕事内容と自分の経験を照らし合わせるための例です。担当範囲や応募条件は企業ごとに確認しましょう。職種の定義は末尾の参照資料も確認しています。

たとえば、商談の進め方をチーム全体で変えた経験なら、営業企画の業務との接点を探せます。顧客の声を別部署へ伝え、改善まで進めた経験なら、どの範囲を自分で担ったかを整理するとよいです。

「企画営業」という求人名にも注意してください。顧客への企画提案を行う営業職を指す場合があり、社内の企画職とは限りません。担当顧客、個人の売上目標、企画業務の比率まで確認すると、名前だけで選ぶことを避けられます。

まだ企画と顧客支援のどちらに進みたいか迷っているなら、営業からカスタマーサクセスへの転職も比較材料になります。この記事では、企画職を目指す場合の準備に絞って進めます。

私が企画経験として評価されたのは、介護施設でのイベント企画だった

私の場合、後から企画経験として評価されたものの一つが、介護施設でのイベント企画でした。利用者やご家族、地域の方との接点を作り、施設の魅力を伝えるための施策です。

考えていたのは、イベントを開くことだけではありません。顧客満足度を上げること、施設を知ってもらうこと、新規利用者の獲得につなげること。営業と運営の両方に意味がある形にしたいと考えていました。

結果として、顧客満足度と新規利用者獲得の両方に効く施策になり、他店舗にも展開されました。転職活動やその後のキャリアで評価されたのは、イベントの規模以上に、現場の課題を捉えて、自分で考え、周囲を巻き込みながら形にした経験でした。

肩書きが営業でも、振り返れることはある

何に困っていたのか。なぜその方法を選んだのか。誰と進め、何が変わったのか。そこまで説明できると、「営業の一部だと思っていた仕事」を、企画職との接点から見直せます。

もちろん、私と同じ道をたどる必要はありません。扱う商材も営業の進め方も違うからこそ、自分に近い経歴の人が、その後どんな仕事を選んだのかも見ておくと、目指す方向を考えやすくなります。

自分に近い営業経験から、どんな仕事へ移っているのかを調べる

求人票には「これから採用したい人の条件」が書かれています。一方、転職体験談には、実際に移った人の職歴や転職先の役割が載っています。両方を見ると、「自分には何が足りないか」だけでなく、「すでに使える経験は何か」も考えられます。

その調べ方の一つが、ワンキャリア転職で転職体験談を読むことです。私も実際に登録してみました。見られた情報には、投稿者の職歴、転職前後の会社・役割、年収の変化、転職を考えた理由などがありました。

営業から企画職を考えているなら、まずは次の三つを見比べてみてください。

  1. 転職前:どんな営業をしていたか

    法人・個人、新規・既存、扱う商材、担当範囲など、自分との共通点を探します。「営業だった」という一言だけで、同じ経験と判断しないことが大切です。

  2. 転職後:何を任される仕事へ移ったか

    職種名に加え、役割や仕事内容の記載を見ます。直前の仕事だけでなく、それ以前の職歴にも、転職先につながる経験がないか確認します。

  3. 条件:何を変えたくて、その会社を選んだか

    年収の増減と転職理由を合わせて読みます。仕事内容を優先したのか、働き方を変えたかったのか。自分なら何を大切にしたいかを考える材料にします。

近い事例が見つかったら、応募したい求人と並べて「この人と共通する経験」「自分がこれから補いたい経験」を一つずつ書いてみる。それだけでも、次に調べることが具体的になります。

体験談の掲載状況や記載内容は、企業・職種によって異なります。職歴や年収の事例を比較材料にしながら、応募条件や待遇は求人・選考の中で確認しましょう。

現職で作れる企画経験5つ。大きなプロジェクトでなくていい

転職事例や求人を見て「もう少し準備したい」と感じたら、今の営業の中で作れる経験を探してみてください。新規事業を一つ立ち上げるような、大きな話から始める必要はありません。

1. 顧客の声を整理し、改善提案にする

何度も聞かれる不満や要望を、顧客層・場面ごとに整理します。「こんな声がありました」で止めず、何を変えると役に立ちそうかまで提案する。顧客を知っている営業だからこそ、考えられることがあります。

2. 失注理由を分析し、提案の進め方を変える

価格、導入時期、機能、決裁者への説明など、商談が進まなかった理由を分けます。そのうえで資料や提案の順番を変え、反応を確かめる。「売れなかった」で終わらず、仮説と改善を残す経験です。

3. 自分の工夫を、ほかの人も使える仕組みにする

商談後の振り返りシート、顧客情報の共有フォーマット、提案準備のチェックリストなどを作ります。自分が使うだけでなく、同僚にも使ってもらい、迷う点を直す。個人の工夫を、チームの進め方に変える視点を持てます。

4. 顧客との接点を作る小さな施策を試す

既存顧客向けの勉強会や、導入後の不安を解消する説明会など、顧客にも意味がある企画を考えます。私のイベント企画も、顧客満足と新規獲得を一緒に考えた経験でした。実施後に何を確かめるかまで決めておくと、振り返りやすくなります。

5. 別部署や協業先と、実行まで進める

企画は、考えたあとにも仕事があります。相手の事情を聞き、役割や期限を相談し、実行まで進める。営業で培った調整力を使いながら、自分一人では完結しない施策に関われます。

新しい取り組みが難しい職場なら、無理に仕事を増やす必要はありません。まずは過去の改善を振り返る、上司に関われる範囲を相談する、社内公募や異動の機会を確認する、といった進め方もあります。

職務経歴書・面接では「課題→自分の行動→結果」を具体的に伝える

「イベントをやりました」「資料を作りました」だけでは、何を考え、どこを担ったのかが伝わりません。経験を書き出すときは、次の五つを一組にしてみてください。

そのまま使える棚卸しメモ

課題
誰が、何に困っていたか
仮説
なぜ、その打ち手を選んだか
自分の行動
どこまで担当し、誰と進めたか
結果
数値・反応・運用に、何が変わったか
学び
次に同じ課題があれば、どう進めるか

私の例なら、施設の魅力を伝える接点に課題を感じ、顧客満足と新規獲得につながるイベントを企画したこと、営業活動にも活用したこと、他店舗にも展開されたことまで説明します。単なるイベントの実施より、課題に対してどう動いたかが伝わります。

数値が残っていなければ、無理に作らなくて大丈夫です。確認できる変化と自分の担当範囲を正確に書きます。チーム全体の成果を、すべて自分一人の実績にしないことも大切です。

企画職の求人は、応募条件と「入社後に任されること」を並べて見る

経験の整理と求人探しは、行き来しながら進められます。準備を全部終えるまで求人を見ないのではなく、必要な経験を知り、その内容に合わせて自分の経験を振り返る。その繰り返しで、応募先を絞っていきます。

気になる求人ごとに確認したい四つのこと
見る項目確認すること
仕事内容分析、施策立案、資料作成、調整、実行のうち、何をどこまで担当するか。営業活動との兼務はあるか。
応募条件必須条件と歓迎条件を分ける。営業経験を対象にしているか、企画職の実務経験や特定の知識が必要か。
入社直後の役割最初から一人で計画を担うのか、既存施策の運用・改善から関われるのか。相談先や支援はあるか。
年収・評価現職のインセンティブ・賞与・残業代を含め、同じ基準で比べる。提示レンジの上限が自分の年収になるとは考えない。

体験談を読んで気になった点は、面接で確認できる質問に変えます。たとえば、「営業経験で入社した方は、最初の三か月でどのような業務を担当されていますか」と聞けば、職種名だけでは分からない入口を確かめられます。

候補企業の働き方も確かめたい場合は、転職口コミサイトの使い分けを参考にしてください。社員の評価を読む情報と、転職前後の経歴を読む情報を重ねると、求人票に足して確認したいことを整理できます。

事業企画の中でも新規事業に興味がある人には、未経験から新規事業開発職に転職した私がしたことに、私が少しずつ役割を変えた流れをまとめています。

応募条件との接点を一人で判断しにくいときは、相談して確かめる

転職体験談で分かるのは、ほかの人の経験です。自分がその求人に応募できるか、何を職務経歴書で伝えるべきかは、募集要件を確認したり、担当者に相談したりする必要があります。

私自身も、エージェントに相談する中で、自分では気づきにくかった可能性を見てもらい、縁があってキャリアチェンジにつながりました。相談するなら、上の棚卸しメモと気になる求人を用意すると、聞きたいことを具体的にできます。

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紹介できる求人や支援内容は、経験・希望条件・募集状況で変わります。自分が相談したい内容に合う窓口を選んでください。

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営業から企画職を目指すときによくある質問

営業から企画職へ未経験で転職できますか?
営業経験を対象にする求人もありますが、必要な経験は企業と役割によって異なります。必須条件と歓迎条件を分けて確認し、営業の中で取り組んだ課題発見・改善・関係者との調整を、具体的に説明できるようにしましょう。
企画経験が本当にゼロなら、何から始めればいいですか?
過去に資料や提案の進め方を変えた経験がないか、まず振り返ります。まだなければ、現職で関われる小さな改善を一つ相談する方法があります。企画経験を作る機会が少ない場合は、営業経験を対象にした求人や、社内異動も含めて考えてください。
営業がつらいから企画職を目指してもいいですか?
きっかけとしては自然です。ただ、企画職にも目標への責任や関係者との調整があります。今の営業の何がつらく、どの仕事なら取り組みたいかを分け、候補求人でその希望がかなうか確かめましょう。
営業から企画職へ移ると、年収は下がりますか?
一律には言えません。評価される経験、役職、給与制度などによって変わります。現職の年収の内訳と求人の条件をそろえて比べ、最終的には提示される条件を確認します。転職体験談の年収変化は、比較材料として使ってください。
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まずは「自分の経験」と「次の仕事」を一つつなげてみる

企画職という肩書きがなくても、営業の中で考え、改善し、周囲と進めてきたことは振り返れます。私にとっては、介護施設でのイベント企画がその一つでした。

まずは、改善した経験を一つ書く。そのうえで、気になる企画職の求人と、近い経歴の人の転職体験談を見比べる。応募するかどうかを決める前に、使える経験と次に補うことを具体的にしてみてください。

職種の説明で参照した資料

仕事内容の定義は、doda職種図鑑の営業企画、経営企画・事業企画、企画・管理職の一覧を参照しています(2026年9月確認)。経験との接点や準備の進め方は、筆者の実体験を踏まえた提案です。

はっさく太郎

この記事を書いた人:はっさく太郎

「まいんでぃあ」開発者。
介護施設での店舗運営・営業、転職エージェント側のキャリアを経て、現在は事業企画寄りの仕事に従事。自身の実体験をもとに、営業経験を次のキャリアへ翻訳する方法を発信しています。